トランセンドのSLCタイプSSDを買ってみた(4)

RAID0を試す

nForce 680iオンボードでのRAID0を試してみました。

とりあえず、ストライプサイズを変えてパフォーマンスを計測してみます。さすがに全てのストライプサイズで時間のかかるテストをするのは大変なので、CrystalDiskMark(テストサイズ500MB)とCopySpdBenchのみ行いました。単位は全てMB/sです。

ストライプサイズ Seq.Read Seq.Write Read 512KB Write 512KB Read 4KB Write 4KB Copy 100Mx1 Copy 512Kx200 Copy 4Kx1000
4K 278.248 163.610 260.440 37.547 20.661 0.747 25.617 14.281 1.382
8K 277.585 166.599 260.136 40.927 20.200 0.953 23.306 14.539 1.417
16K 279.695 166.705 263.365 39.650 20.634 1.144 24.375 14.306 1.515
32K 270.043 163.304 262.840 45.272 19.790 1.099 24.944 15.088 1.535
64K 268.693 160.652 264.186 43.579 18.784 1.248 21.170 16.996 1.350
128K 267.938 161.444 264.493 35.008 17.727 1.366 18.090 16.082 1.374
単体(参考) 144.711 74.314 138.494 19.682 18.235 0.195 17.955 15.943 1.210

結果のばらつきは誤差に近いですね。単体の結果に比べ、性能は順当に2倍近くになっています。また、一般的にRAID0にしても変わらないことが多いRandom Write 4KBとCopy 100MBx1の結果が向上しています。

実使用での性能はあまり変わらないようなので、なんとなく真ん中あたりの16KBにしてIometerを実行してみました。前回同様、全てRandom100%, # of Outstanding IOs=1, テストサイズ4KB、テスト時間10分の結果です。

Access Specification Name Read IOps Write IOps Average Read Response Time Average Write Response Time Maximum Read Response Time Maximum Write Response Time
4KB Read Only 4939.940994 0 0.201929 0 1.442063 0
4KB Write 1% 1546.544256 15.582486 0.215361 42.740744 82.1481 161.013386
4KB Write 10% 192.54546 21.513562 0.306599 43.725634 84.569479 160.874929
4KB Write 50% 22.843845 22.473864 0.788883 43.686614 120.623284 160.982985
4KB Write 90% 2.503159 22.771746 0.990138 43.798922 76.311544 160.901546
4KB Write Only 0 22.663799 0 44.114432 0 160.684129

Iometerでは、単体使用時より結果が若干悪くなっています。さらに、Writeの割合が増えるとReadの性能が低くなる傾向にあります。なんか怪しい雰囲気ですね…
なお、まだOSのインストールは行っていません。OSインストールが終わったらまた使用感をレポートしたいと思います。

MTRON社製SLCタイプSSDとの比較

このSSDを買ってすぐに、MTRON社製のMSD3500(Mobi3500)シリーズが大幅値下げされ、取扱店が増えました。
というわけで、このMSD3500との性能比較をしてみたいと思います。

まず、CrystalDiskMark(テストサイズ1000MB)とCopySpdBenchの比較をしてみます。MSD3500の結果は、2chSSDスレッドから転載させていただきました。MSD3500は、AHCIモードとIDE互換モードの双方の結果を記載します。

SSD Seq.Read Seq.Write Read 512KB Write 512KB Read 4KB Write 4KB Copy 100Mx1 Copy 512Kx200 Copy 4Kx1000
MSD3500(IDE) 102.570 103.809 101.904 23.610 35.304 0.249 35.714 3.894 0.055
MSD3500(AHCI) 102.771 107.359 101.753 20.952 34.814 0.294 37.916 14.375 3.230
TS8GSSD25S-S 144.711 74.314 138.494 19.682 18.235 0.195 17.955 15.943 1.210

次に、Iometerでの比較です。MSD3500の結果は公式資料からの転載で、単位はIOPSです。その他の設定は、Maximum disk size = 2,000,000 sectors (1GB), # of Outstanding I/Os = 8, 計測時間1分です。 *1

SSD Seq.Read 4KB Seq.Write 4KB Random Read 4KB Random Write 4KB
MSD3500 11000 21000 10000 60
TS8GSSD25S-S 9483 6991 4927 33

TS8GSSD25S-Sは単一アクセスでのシーケンシャルリードは速いのですが、その他の性能ではMSD3500が優位に立っています。MSD3500もランダムライトは遅い部類に入りますが、それと比較して半分程度の性能というのは厳しいものがあります。さらに、唯一の有利点であるシーケンシャルリードも同時アクセス数が増えると性能が低下し、上のベンチマーク結果ではMSD3500に逆転を許しています*2

また、価格面でもMSD3500は同容量のトランセンド製品より安くなっています。

結論

TS8GSSD25S-Sは、プチフリーズは発生しなかったものの、性能・コストパフォーマンスはそれほど高くありませんでした。特にMSD3500との比較では、シーケンシャルリード以外に優位点は見出せません。
というわけで、本製品については、「地雷とまでは言えないが、あえてこの製品を選択する必然性は薄い」というのを今回の結論としておきたいと思います。

あと、せっかくですので今回使用したiometerの設定ファイルをアップロードしておきます。MTRONとの比較用Read/Writeの混在テストの二つがあります。Iometerでダウンロードしたファイルを開き、ターゲットのドライブを選択したあと、計測を開始するだけでOKです。テスト時間は10分にしておきましたが、もっと短くても問題ないと思います。

*1:'08/11/21 最初勘違いしていて# of Outstanding I/Os =1の状態でのテストをしていたので、結果を差し替えました。

*2:# of Outstanding I/Osというのは同時に送る命令数のことで、MTRONのテストは8並列です。