トランセンドのSLCタイプSSDを買ってみた(3)

単体でのOSインストール

Iometerでプチフリの有無を検証

巷で話題のプチフリについてですが、結論から言うとこのSSDではプチフリはないようです。

JMF602コントローラを搭載したMLCSSDでは、読み込みと書き込みが同時に起こると異常にレスポンスが悪くなる現象が発生します。これがプチフリの原因であり、ファイルコピー速度がやたら遅い原因でもあります。

そのあたりの事情については、AnandTechの記事こだわりのMONOさんの記事で詳しく解説されています。両者共にJMF602搭載のSSD(前者はOCZ Core V1, 後者はCore V2)でIometerを用いたベンチマークを行っています。特に、こだわりのMONOさんの記事では、読み書きを混在させたテストで遅延が大きくなっているのが分かります。

というわけで、OSをインストールする前に、同様のテストを行ってみました。
以下は、全てRandom100%, # of Outstanding IOs=1, テストサイズ4KB、テスト時間10分の結果です。テスト名は、全体のIOのうち何%がWriteかということを表しています。例えば、"4KB Write 10%"であれば、書き込みと読み込みの比率が1:9になります。

Access Specification Name Read IOps Write IOps Average Read Response Time Average Write Response Time Maximum Read Response Time Maximum Write Response Time
4KB Read Only 4544.483801 0 0.219547 0 125.266061 0
4KB Write 1% 1627.864799 16.556173 0.214391 39.259857 1.483751 158.22498
4KB Write 10% 218.029503 24.278092 0.233328 39.082317 118.613715 158.39772
4KB Write 50% 24.838763 25.328739 0.279188 39.203957 118.083135 158.497421
4KB Write 90% 2.929926 25.592687 0.306684 39.030509 1.012793 158.455012
4KB Write Only 0 25.560915 0 39.119761 0 160.124621

Write Onlyの性能は低いものの、Readを混在させてもレスポンスはほとんど変わりませんでした。
Maximum Read Response TimeがRead Only,10%,50%だけ高い値が出ていますが、どうやらこれはかなり低い率で発生するようです。同じテストをもう一回繰り返してみたところ、1%.50%のテストのときだけMaximum Read Response Timeが約120msとなり、残りは約1msでした。

実際にOSをインストールしてみた

Windows XP SP3をインストールし、ドライバをインストールすると残り容量は約3GBになりました。
その状態でCopySpdBenchの4KBx5000, 2chSSDスレでUpされていた4KBx30000個のファイルをzip圧縮したものの解凍、Youtubeの視聴を同時に行ってみましたが、全くプチフリは発生しませんでした。
使用感は非常に快適です。今までのHDDではWindows起動時のバーが3.5周ほど回ったところで起動しましたが、このSSDでは約1周で起動します。その他のアプリケーションの起動も非常に早く、キビキビ動作します。ノートPCとデスクトップという差はありますが、明らかにT60pで使用しているMasterDrive MXより体感速度が速いです。


次回は、2台でRAID0を構築したときの結果をレポートします。