安田講堂で航空幕僚長の講演を聞いてきた

気がついたら4ヶ月以上も更新していませんでした。
何をやっていたかというとゲームにハマっていただけで、Blogの文章を書いていた時間がゲームのプレイ時間に変わっていたわけです。Oblivionはマジ面白いです。本体だけで15万も出してPC組んだ甲斐があるというものです。もはや人生踏み外す勢いです。もうずっとシロディールで暮らしたい。

さて、今日は研究するつもりで(本当ですよ)学校に来たのですが、おりしも五月祭が開かれていました。そこで見かけたポスターで、航空幕僚長田母神俊雄空将の講演があると知り、たまたま開催時間も間近だったので聞きに行ってきました。

この空将、なかなか面白い人でした。「今拍手をしていただいた人にだけ感謝申し上げます」「爆弾発言を期待している方も多いと思いますが、今日はしません」「こうして会場を見回すと、年配の方ばかりですねえ、最近の東大生っていうのはこんなに老けてるんですか」「(脳の手術をしたので)私の頭の中にはチタンが入ってます。これが本当のチタンヘッドです。…あれ、あまり受けないですねえ。この中にはゴルフやってる人少ないんでしょうかねえ」などと、かなり飛ばしていました(発言の内容は僕の記憶なので、正確なものではありません)。このノリで「そんなの関係ねぇ」と言ってしまったんでしょうね…

本番の講演については、一般向けということもあり、僕のような航空オタクにはあまり新規性のある話題はありませんでした。タイトルが「極東の軍事情勢と21世紀における我が国の針路」とあったので、もう少し「我が国の針路」について話して欲しかったという印象です。次期FXの話とか期待してたのになあ。質疑応答がなかったのも残念です。

空将の話の中で印象的だったのは、日本の軍需産業は非常に規模が小さく儲からないから採算の面では企業はやめたがってもおかしくない、むしろやめられると困るのは自衛隊の方だ、というくだりでした。
航空オタクとしては、日本の軍需産業が産業として成り立っていないのは知っていましたが、「自衛隊は企業に対して立場が弱い」とも取れる発言を現役の自衛官から聞くというのは意外でした。
ちなみに、そのとき防衛関連会社を列挙して、「企業の人も来てるから、忘れてるとこがあるとまずいなあ」と言っておられましたが、多分NECを忘れていたと思います。

少し話がそれますが、最近佐々淳行の『東大落城』を読みました。
安田講堂に何百人という学生が立てこもり、機動隊と戦ったという歴史は、今ののどかな風景−講堂前の広場でお昼の弁当を食べていたり、近所の保育園の子供たちが遊んでいたり−からは想像もつきません。

そして今日の講演の前説では、「入学式で国歌斉唱や国旗掲揚がないのはおかしいのではないのか」「自衛隊をめぐる報道は偏向していて、悪いところばかり伝えられる」といった話が出ており、本番の空将の講演の中でも、「日本軍は悪いことしかしていないといわれ続けていたが、実際には良いこともしていた」という趣旨の話がありました。
『東大落城』の頃に立てこもっていた人々とは完全に逆方向の主張が同じ場所で行われたわけで、時代が変わるとはこういうことを言うのだろうなあと感じました。

…なんか、書いてることがおっさんくさいですねえ。年取ってきた証拠か?