最新護衛艦「ひゅうが」(2) ひゅうがの役割について

前回書いたとおり、「ひゅうが」はヘリのみを搭載する空母で、固定翼機を搭載する能力はありません。そのような船を何に使うつもりか?ということについて書きます。

ひゅうがの任務は対潜水艦戦

「ひゅうが」の任務は、搭載するヘリを用いた対潜水艦戦です。艦自体のソナーも最新式であり、搭載する対潜ミサイル(アスロック)も新型を搭載するため、非常に高い対潜水艦戦能力が期待されます。

日本は資源、農作物に乏しいので、有事の際には日本に向かう輸送船団を護衛する必要があります。そして、輸送船団にとっての主な脅威は、潜水艦と航空機です。イージス艦は航空機に対する備えであり、「ひゅうが」は潜水艦に対する備えであるというわけです。そう考えれば、「護衛艦」という名称は非常にしっくり来るものになります。

なお、「ひゅうが」は老朽化してきた「はるな」型護衛艦を置き換えるために計画されました。「はるな」型は基準排水量約5,000tで、艦の後部にヘリコプター3機を搭載することができます。
「はるな」型は一度に1機のヘリしか発着できず、搭載機数も3機のみです。また、格納庫が狭くその内部ではローターを展開できないため、ヘリの整備の一部は飛行甲板上で行う必要があります。そのときには当然離発着も不可能になります。
一方、「ひゅうが」型は4機のヘリの同時離発着が可能であり、搭載可能なヘリの数も11機(詰め込めばもっと入るかも?)と、大幅に能力が向上しています。また、「ひゅうが」は広い飛行甲板・格納庫を有するため、ヘリの整備能力の点でも圧倒的に優れています。

次回は、時々話題になる「ひゅうが」の軽空母への改造について考察したいと思います。