最新護衛艦「ひゅうが」(1) 16DDH「ひゅうが」進水

最初の日記がマニアックな軍事ネタなのもどうかと思いますが、空気を読まずに始めてしまおうと思います。

先月末、海上自衛隊初のヘリ空母護衛艦ひゅうが」が進水しました。ひゅうがの基準排水量は13,500t、海自の護衛艦としては最大であり、対潜・輸送ヘリ11機の搭載が可能とされています。予想以上に美しい艦容なので、模型が発売されたら作ってみたいと思います。

今日の日記では、この「ひゅうが」とはどのような艦船であるかということについて記します。

「ひゅうが」の艦種について

「ひゅうが」は「ヘリ空母」であり「護衛艦」です。このことについて、用語の整理を兼ねて説明したいと思います。

「空母」とは、航空機やヘリを搭載し、その運用を主任務とする艦種です。また、「空母」というカテゴリの中に「正規空母」「軽空母」「ヘリ空母」というサブカテゴリがあります。
ヘリ空母」とはヘリコプターのみを搭載する空母であり、「ひゅうが」はこれに当たります。
「軽空母」とは、戦中・戦前では小型空母のことを指しましたが、現代ではハリアーに代表されるV/STOL機(短距離・垂直離着陸機)とヘリコプターを運用できる艦種を指します。イギリスの保有するインヴィンシブル級などが代表です。
正規空母」とは、V/STOLではない艦載機を運用可能な大型空母のことです。いわゆる「アメリカの空母」はこれに相当します。

それに対し、「護衛艦」とは、「海自が保有する戦闘艦」を意味する用語です。排水量数百t程度の小型艦はミサイル艇駆潜艇など別の呼称で呼ばれますが、大型艦に対する別の呼称はありませんので、どんな大型艦でも海上自衛隊に所属する限り護衛艦と呼ばれます。そのため、「ひゅうが」は「護衛艦」というカテゴリに属します。

また、護衛艦のサブカテゴリには現在「DDH」、「DD」、「DDG」の三種類があり、このカテゴライズでは「ひゅうが」はDDHに属します。なお、「DDH」はヘリコプター搭載型護衛艦、「DDG」は対空ミサイル搭載型護衛艦(イージス艦を含む)、「DD」はそれ以外の通常型護衛艦を意味します。ちなみに、「ひゅうが」は平成16年度予算で計画されたDDHなので、命名前は「16DDH(ヒトロクディーディーエイチ)」と呼称されていました。

よって、ひゅうがは護衛艦(DDH)であり、ヘリ空母であると言えます。

長くなってしまったので、続きはまた明日ということで…