サブプライム問題とは

たまには世間の出来事にも目を向けないとなあと思う今日この頃です。
というわけで、若干のいまさら感はありますが、最近よく耳にするサブプライム問題について、調べてみました。ちなみに僕は経済は全然勉強しなかったので、間違ったことを書いているかもしれません…

サブプライムローンとは

サブプライムローンとは、アメリカの低所得者向け住宅ローンのことです。アメリカで通常の住宅ローン(プライムローン)を借りるには、日本と比べて取得が困難な銀行口座の所有など、様々な条件が必要となります。サブプライムローンは、そういったプライムの条件を満たさない、低所得の人や移民してきた人が家を持てるように、審査基準を緩くしたローンです。
サブプライムローンは、通常のプライムローンよりも非常に金利の高いローンです。これは、対象が低所得=信用が低いためです。「低所得者向け」のために金利が優遇されているのかと思いきや、実際には逆です。
このサブプライムローンは、お金を貸す側にとっては、非常においしいローンでした。ただでさえ高い金利を設定できる上に、もし借り手がローンの支払いをできなくなっても、家と土地という担保があるため、それを競売にかけることによって資金を回収できるためです。そして、ここがポイントなのですが、2006年までのアメリカでは土地の価格が急騰しており、担保価値が下がるというリスクがほとんどないと言われていました。
そのため、昨今のアメリカでは、詐欺まがいのものも含め、非常に多数のサブプライムローンが組まれました。また、本来のターゲットである貧困層以外にも、土地転がし、家転がしの手っ取り早い資金源としてサブプライムローンを利用する投資家も現れ始めました。それを背景にして、アメリカでは住宅が飛ぶように売れ、完全に投機目的の建築も多く行われることになりました。
非常にデジャヴを感じる展開です。もちろんアメリカの専門家も日本のバブルとの共通点に気付いてはいましたが、概して楽観的な見通しを持っていたようです。そして、破綻は2006年に現れました。急速に住宅の販売数が低下し、同時に支払い不能になるサブプライムローンの借り手が急増しました。

問題を国際化させたサブプライムローンの「証券化

サブプライムローン不良債権化は、ローンの貸し手に大きな損失を与えたわけですが、問題はそれだけに留まりません。サブプライムローンの「証券化」により、問題は全世界に波及しています。
証券化とは、債権を有価証券として売却することです。銀行などのローンの貸し手は、複数のローン債権を証券会社に売却します。そして証券会社は、ローンの金利から手数料を差し引いた額を利回りとする小口の債権を作成し、世界中の投資家に売るわけです。
この手法を用いると、本来ローンの貸し手が持っている資金を無限に回転させることができます。例えば、「元手の一億円をローンとして貸す」→「ローンを証券化して売却し、一億円の収入を得る」というサイクルを10回繰り返せば、一億円の元手で十億円の債権を運用することができ、その分の手数料収入を得ることができるというわけです。
サブプライムローンは、非常に利率が高い(元のローンの金利が高いため)上に、価格が上昇し続ける土地を担保にしているということで、信用も非常に高いとみなされていました。当然、金融市場では大人気の商品となり、世界中の投資家がサブプライム証券を購入していました。
そこで、アメリカの住宅価格の急落が起こりました。サブプライム証券を販売する運営会社のうち、ハイリスクな投機を行っていた会社が複数倒産し、また、サブプライム証券を購入していた投資家や銀行にも多額の損失が出ています。

問題の今後

サブプライムローンは、最初の3年の金利が安く、残りの年数(30年ローンなら27年)の金利が高いものが人気でした。こういったローンの借り手は、3年たったらローンの組み換えを行うことを前提にしていることが多い(というより、そのようにすればよいとローンのブローカーにそそのかされた人が多い)ようです。しかし、住宅価格が下落しているので、そのようなローンの組み換えが行えず、結果としてローンの支払いが不可能になるケースが増えると予想されています。
そして、アメリカの住宅の販売数は2005年にピークを迎えていたそうです。すなわち、今年1年はさらにサブプライムローン不良債権化が進む可能性が示唆されています。まだ問題は現在進行形というわけです。