地上デジタルの受信方法‐アンテナ、分波器

たまには実用的な知識について書いてみます。
最近自宅でフルハイビジョン地デジ対応テレビを購入したのですが、テレビ以外の必要機材についていろいろと分かりにくいところがあったので、調べた内容についてまとめておきます。

地上デジタル放送用アンテナについて

地上アナログ放送を受信するアンテナには、VHFとUHFの二種類があります。首都圏では、日本テレビ、TBSなどのキー局の放送は全てVHFで放送され、UHFを使うのはテレビ神奈川TOKYO MXなどのいわゆる独立UHF局のみです。地方ではUHF放送局の割合が多いようです。
それに対し、地上デジタル放送はUHFのみで放送されます。そのため、自宅で地デジを受信するにはUHFアンテナが設置されている必要があります。
また、UHFアンテナの中でも、受信できる周波数帯に応じてオールバンド、ローバンド、ハイバンドといった種類の違いがあります。最近のアンテナはほとんどがオールバンドのもので、この場合は地デジの受信は問題ありません。オールバンド以外のアンテナでは、受信できるかどうかは場合によるようです。なお、外見によってそれらの種類を見分けるのは困難なので、種類が分からない場合はアンテナを設置した業者に問い合わせる必要があります。
一方、BSデジタル放送の受信は、BSアナログ用のほとんどのアンテナで可能です。そのため、今までBSアナログ放送が視聴できていれば、あとはBSデジタル用チューナ、またはBSデジタル用チューナ内蔵テレビを買うだけでBSデジタル放送を視聴できます。
地上デジタル用のアンテナは、室内用のものもあります。23区内など電波の強い場所では、室内用でも受信が可能な場合が多いです。なお、室内用の製品を買う場合は、ブースター内蔵の製品を選ぶのが無難です。ブースターとは、受信した電波を増幅する装置のことで、電波の弱い場合でも安定した受信を可能にします。

分波器について

次に、テレビへの配線方法です。
一般的に、複数のアンテナからの電波は一本のケーブルにまとめられた状態で各部屋に配線されています。そのため、テレビ側の入力端子がいくつかに分離している場合、電波を種類ごとに分ける「分波器」が必要となります。
どのような分波器が必要かは、テレビの種類によります。今回自宅で購入したテレビはVictorの"LT-37LH800"というモデルでしたが、このテレビには「地上アナログ」「地上デジタル」「BS/CSデジタル」の3つの入力端子があります。そのため、それら3つ全てを見たい場合は、対応する3系統に分波する分波器が必要になります。なお、多くのテレビは「地上アナログ+デジタル(VHF/UHF)」と「BS/CSデジタル」の二系統の入力を持っているようです。
なお、自宅では地上アナログは特に必要ないと思ったので、BS/CSとVHF/UHFの2系統に分波する分波器(前のテレビで使っていたもの)を使い、地上デジタルとBS/CSデジタルの2つだけに入力しています。地上アナログと地上デジタルの信号は混じったままテレビに入力されるわけですが、原理的にこのことで映像の乱れが起きたり、映らなくなることはありません。
ちなみに、このような状態のとき、何らかの理由で地上アナログ放送が見たくなった場合は、高価な3系統分波器を買うよりも、「分配器」を用いた方が安上がりです。分波器は電波を種類ごとに分けるものですが、分配器はそのまま電波を二系統にわけるものです。上記のように、地上アナログと地上デジタルの信号が混じっていても誤動作は起きないので、分配した2本を地上アナログと地上デジタルのそれぞれの入力端子に入れればよいというわけです。ただし、分配器を用いると多少電波強度はさがってしまうので、電波が弱い場合は使わない方がいいでしょう。


今回の内容は以上です。地デジを導入するだけでも結構ややこしいですね。メカに弱い人には大変そうです。本当に2011年までにスムーズに移行できるのか、ちょっと心配になってきます。