(4) やっぱりバグ直ってない疑惑&Solidata K5-64の書き込み速度低下について

前回の記事で、Barefoot用ファームウェア1819においてMaximum Erase Countが異常に多くなるバグが修正された模様であると書きましたが、どうやら完全には直っていなかったようです。
一時的にVertexの30GBモデル(ファームウェア1.4)をシステムドライブとして使用していたのですが、気がついたときには下図のような状態になっていました。

11月中はMaximum Erase Countに全く変化が無かったのですが、12月6日以降は使えば使うほどAverageとMaximumの差が開いています。他のJSMonitorのユーザの方からも、同様にファームウェア1819にアップデートしたSSDにおいてMaximum Erase Countが突然急上昇を始めたという報告をいただいています。
そういう訳で、この問題に関するファームウェア1819のバグフィックスは完全ではなかったようです。
さらに、1.4/1819にアップデート後Power Cycle Countが更新されなくなっていたことに(今さら)気がつきました。まあこれは特に大きな問題ではないのですが…

次に、この記事で、1819にアップデートしたK5-64を使っていると書き込み速度が低下してしまったことを報告しましたが、その件についての続報です。
Solidataの輸入代理店のテック社のサポートページに、K5シリーズ用の正式なファームウェアが公開されたので、こちらを使って再度手持ちのK5-64のアップデートを行いました。このページには"1819"と"1819GC"の2つのバージョンが公開されていますが、おそらくそれぞれがVertexシリーズの1.4と1.41に該当するものだと思われます。
1819GC版のアップデータはマニュアルが公開されていませんが、アップデート方法はVertexシリーズの初期ファームウェアと同様です。ジャンパを付けたSSDを接続し、Windows上で"start.exe"を実行するだけでアップデートが完了します。ちなみに、このプログラムでアップデートを行うと、ドライブ名が"INDILINX BAREFOOT-SATA"になってしまうようです。
結論から言うと、この問題は上記の正式な1819、1819GCのどちらのファームウェアを用いても発生しています。パーティションを復元してしばらくはシーケンシャルで160〜180MB/s程度の書き込み速度が出るものの、しばらく使用していると70〜80MB/sにまで落ち込んでしまいます。
その状態でパーティションを削除してHD TuneでWrite Test(8MB, Most Accurate)を行った結果が以下です。

ディスク全体の書き込み速度が平均80MB/s程度にまで下がってしまっています。この状態は、sanitary_erase.exeを用いれば修正できますが、wiper.exeやTrimは効果がありません。すなわち、データが存在する状態では性能を元に戻せません。
やはり今のところこの問題の解決策と原因は分かりません。起動ドライブとして使う分には体感の差はあまりないのですが、SLCの利点の一つは書き込み速度の速さにあるので、この問題はちょっと気になってしまいます。