JMF602搭載SSDのプチフリのメカニズムについて(4) SLC編
SLC製品におけるプチフリチェック
前回までの記事と同様のテストを、TS8GSSD25S-S(8GB, SLC)でも行ってみました。その他のハードウェア構成は同一です。
このSSDはSLCを搭載しており、ブロックサイズが1MBとかなり小さいという特徴があります。
Random Writeの結果
これは、4KBの書き込みをランダムなアドレスに行ったときの書き込み時間のグラフです。右上の数値はテストに使用したファイルサイズであり、縦軸が書き込み時間(対数)、横軸が何番目の書き込みかを示します。
500MB以上のファイルサイズの場合、MLC同様のピークが見られます。この結果から、やはりSLCでもプチフリ現象が発生していることがわかります。ただし、ピークの大きさはかなり小さく、最大で115ms程度または160ms程度でした。
結論
以上のように、SLC製品ではシステムデータのサイズ自体は小さいものの、管理単位の数は多いようです。そのためMLCに比べ、SLCの方がプチフリ現象が発生するまでの最小回数が多く、システムデータの解放が早いという利点があります。さらに、プチフリ現象が発生しても最大で160ms程度と、MLCの最大900msに比べるとかなり小さい結果となりました。これらの結果から、SLC製品ではMLC製品に比べるとプチフリは発生しにくく、影響も小さいと考えられます。
なお、TS8GSSD25S-Sは2台所有しているため、2台とも同様のテストを行いました。JSMonitorで取得したSystem Block Countの値は、1台が454、もう1台が520とかなり差があるにもかかわらず、結果はほぼ同じでシステムデータは2MBx91または92のようです。これは、おそらく製品の性能に個体差が出ないようにしているためでしょう。