P55 Deluxe付属"SATA3 Card"と新SSD(?)SD88SA02の情報

OCWorkbenchのこの記事に、ASRock製のマザーボードP55 Deluxeに付属する"SATA3 Card"と、謎の新SSD"SD88SA02"のベンチマークが掲載されているので、ちょっと紹介してみます。
ご存じの通り、最近のSSDのシーケンシャルアクセス速度の向上はめざましく、SATA 2.0(最大300MB/s)の規格がボトルネックになりつつあります。そのため、最大転送速度が600MB/sとなるSATA 3.0の普及が期待されています。
最近発売されたP55マザーボードの一部は、当初はSATA 3.0に対応する予定があったようですが、実際には見送られてしまいました。しかし、「変態」マザーで有名なASRockは、同社製のハイエンドP55マザーボード「P55 Deluxe」にPCI Express x1接続のSATA3.0カードを同梱し、無理矢理(?)SATA 3.0に対応させています。現在のところSATA 3.0に対応したストレージは市販されていないため、一般ユーザがこれを手に入れてもあまり意味はないのですが、OCWorkbenchではいち早く"SD88SA02"という名称の(おそらく開発中の)SATA 3.0対応SSDを用いたテストが行われています。
記事によると、"SATA3 Card"はMarvell社の"Marvell 9123"というチップを使用しており、"SD88SA02"にもMarvellのコントローラチップが使われているとのことです。MarvellがSSDのコントローラを作っているというのは初耳ですね。
ベンチマーク結果は、HD Tachを用いた全領域へのシーケンシャルリードの平均値は305.6MB/s、Iometerの"Total MBs per Second"が394.57MB/sとなっており、SATA 2.0の転送速度の最大値を上回っています。Iometerのテスト内容は本文中には明記されていませんが、画像の数値から計算する限り、Transfer Size=250KB,Queue Depth=32でのテストのようです。アクセスパターンも謎ですが、おそらくHD Tachでシーケンシャルリードの測定を行っていることから、Iometerの方もシーケンシャルリードの結果なのではないでしょうか。ライトに関するテストは行われていませんが、MLCタイプのSSDであればシーケンシャルライトの速度はシーケンシャルリードの半分から3分の2程度となるため、SATA 2.0でもボトルネックにならないくらいの速度になると思われます。
個人的には、というか多くのSSDユーザーにとって、もはやシーケンシャルでのアクセス速度がこれ以上早くなってもそれほど嬉しくない気がします。むしろこの新型SSDのランダムアクセス速度はどの程度なのかが気になります。というわけで、続報に期待しましょう。